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本を作ろう>自費出版>3.見積もり |
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本にする原稿が出来上がり、出版社を選んで、原稿を送ると、出版社から、作品の評価や出版の見積もりが送られてきます。複数の出版社に原稿を送った時には、自分の作品の評価や費用の見積もりを比較検討して、最終的に出版を依頼する出版者を決めることになります 出版社は、契約をして、費用の一部が入金された後、作業に入るのが一般的ですし、一度契約すると、作業の途中で変更するのは難しいので、契約は慎重に行いましょう。一時、お金だけ取って、おざなりのような本を作るといった、出版社が問題になりましたが、現在は、そのようなトラブルは減っているようです。それでも、碧天舎の倒産のような例もありますし、自分が考えていた本とだいぶ違ってしまってということもありますので、イラストや体裁も含め、しっかり、慎重に契約をしましょう。 送られてくる作品の評価を読むと、悪い評価をしていないのが一般的です。一応の水準に達している場合には、自費出版・協同出版が提案されていると思います。 |
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見積もり | ||||||||||||||
実際に私が自費出版した際に、出版社より送られてきた見積書の内容です。いずれも、協力出版での見積もりになります。出版社によって、協力出版の呼び名が変わっていますが、内容は同じです。本の内容が一部異なるのですが、400字詰原稿用紙枚数は、80枚〜100枚程度、内容は小学生高学年物です。データはワープロ原稿でメールでの受け渡しになります。 | ||||||||||||||
A社: 1,245,000円 | ||||||||||||||
出版方式:共創出版(電子出版を含む) 判型:四六判(128mm x 188mm) カバー4色(カラー)・帯付 (四六判はほぼB6判と同じ大きさになります。B6判は単行本に使われている大きさになります。教科書などは、A5版(148mm x 210mm)になります) 仕様:上製(ハードカバー)製本 本文1色(黒) (仕様には、上製と並製(ソフトカバー)があります。ソフトカバーですと費用が、10万円ほど安くなるようです) ページ数:128ページ内(段組 36字x13行/頁換算) 発行部数:500部(著者献本50部・見本50部) (著者献本という形で50部が送られてきます。見本50部なので、流通に回るのは、最大で400部になります) 定価:¥1,000 (電子出版:¥880) 印税:初版時:本体価格の3% 増刷時:本体価格の8%(著者の費用負担なし。初版発行後、1年以内に完売、増刷) 電子出版:12% 広告:*全国紙の新聞広告 *新聞・雑誌・CATVなどへの掲載を働きかける。 *国立国会図書館への納本 *書店営業活動・特約店50店舗に配本・陳列(2ヶ月間) *オリジナルチラシの作成 *TRC(図書館流通センター)への申請(全国図書館への納入を目指す) (この出版社では、約300店と特約店契約をしていて、その中から50店舗に配本する) 備考:イラストは別途費用が必要。クレジット(最長60回)あり。 *これは、ある公募に出して奨励作になった作品です。費用は30万円の割引とされいます。ソフトカバーならば、10万円安くなるようです。 |
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B社: 1,785,000円 | ||||||||||||||
出版方式:協力出版 判型:A5判(148mm x210mm) カバー(フルカラー)・帯付 仕様:上製(ハードカバー)製本 本文1色(黒):イラスト20点内 ページ数:144ページ内 発行部数:500部(著者献本50部) 定価:¥1,500 印税:初版時:なし 増刷時:本体価格の7%〜10% 広告:*毎日新聞全国版 *新聞・雑誌・CATVなどへの掲載を働きかける。 *国立国会図書館への納本 *書店営業活動 *オリジナルチラシの作成 *TRC(図書館流通センター)への申請(全国図書館への納入を目指す) 備考:電子出版は別途費用が必要。費用は30万円の割引後。 *ここは、実際、出版社に行って、打ち合わせまで行いました。出来上がり見本も提示され、児童書としては、文句のない立派な本に仕上がりそうで、ちょっと迷いましたが、ともかく、費用が予定をはるかにオーバーしていたので、止めました。 |
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C社: 676,400円 | ||||||||||||||
出版方式:協力出版 判型:四六判(127mm x188mm) カバー(フルカラー)・帯付 仕様:上製(ハードカバー)製本 本文1色(黒):イラスト5点 ページ数:100ページ 発行部数:800部(著者献本50部) 定価:¥800 印税:初版時:なし 増刷時:本体価格の10% 広告:*毎日新聞全国版 *新聞・雑誌・などへの掲載を働きかける。 *国立国会図書館への納本 *書店営業活動 *オリジナルチラシの作成 *TRC(図書館流通センター)への申請(全国図書館への納入を目指す) 備考:ここは、費用の明細が提示されました。 企画費: 150,000円 編集費: 128,000円 校正費: 36,000円 デザイン費: 150,000円 組版版下制作費: 128,000円 印刷用紙製本費: 535,000円 C社負担分(値引き)▲450,600円 総費用: 676,400円 *最終的に依頼した出版者です。小さな会社ですが、代表者と話して、非常に好感が持てました。出版社も作品を気に入ってくれ、他に比べて費用を抑えて本を作ることができました。下のオンライン出版社D社と比較しても、十分納得のいく金額だと思いっています。 |
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D社: 300,000円 | ||||||||||||||
出版方式:自費出版 判型:四六判(127mm x188mm) カバー(フルカラー)・帯付 仕様:上製(ハードカバー)製本 本文1色(黒) ページ数:100ページ 発行部数:300部(著者献本50部) 定価:¥800 印税:売り上げの50%。 広告:*国立国会図書館への納本 *TRC(図書館流通センター)への申請(全国図書館への納入を目指す) 備考:この出版社のホームページには、簡易見積ができるようになっていますので、興味があるかたは、お試し下さい。他の出版社と比べて、広告はほとんど期待できません。さらに、校正も自分で責任を持つ覚悟が必要だと思います。 |
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E社: 1,890,000円 | ||||||||||||||
出版方式:共同企画出版 判型:四六判: カバー(フルカラー)・帯付 仕様:上製(ハードカバー)製本 本文1色(黒): ページ数: 発行部数:1,200部(著者200部) 定価:¥1,200 印税:初版時:5%(800部分・出版時) 増刷時:本体価格の10% 広告:*主要新聞(読売新聞・毎日新聞・東京新聞 *雑誌(新潮・文学界・群像・ポンツーン・本の話・本の窓・他) *国立国会図書館への納本 *書店営業活動(三省堂・旭屋書店・ジュンク堂・丸善などへの配本) *紀伊国屋スクリーン・キャンペーン(紀伊国屋書店30店舗の大型スクリーンで2週間宣伝および店頭に合計170冊を配本)) *オリジナルチラシの作成 *TRC(図書館流通センター)への申請(全国図書館への納入を目指す) 備考:広告に関して非常に魅力的で詳細な提案がされた出版社でした。堅実な経営で、誰でも知っている中堅の出版社です。発行部数、その他を考えると、この費用でも妥当なのでしょうが、予算オーバーなのであきらめました。 |
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*当たり前ですが、費用をかけるほど本の体裁は良くなり、広告の量や店頭に並ぶ書店の数も増えていきます。しかし、それで売れるのかは、別の話です。出版不況と言われる中、中堅の作家でも、なかなか売れません。 私は児童書で、書店への配本なし、注文販売だけという契約でした。(書店に配本すると、配本の費用と返本の費用がかかります) 増刷はできませんでしたが、初版の800部は、そこそこ売れたようです。(多くは図書館が購入してくれました)。児童書や体験記などは、自費出版でも、ベストセラーは無理にしても、そこそこ売れそうな感触を持っています。 |
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2.出版社の選定<<3.見積もり>>4.契約 | ||||||||||||||